川崎フォトエッセイ  その851  見切る       HOME

 街頭に出ると、見知らぬ人や見知ってる人と遭遇することがある。

 知人を発見し、声をかけようかかけまいかと迷っている間に視界から消えてしまうこともある。追いかけてまで声をかけなくてもよい相手も当然存在する。

 こちらが先に発見したときは、選択権を得ることができる。その日、用事があり、寄り道したくないときは、相手を無視できる。

 逆に、いきなり声をかけられたときは、相手によっては、これからの予定を変更する必要も出てくる。スケジュールが狂うというやつだ。しかし、狂ってもかまわないほど優先順位の高い相手もいるし、また、気楽にお茶でも飲める休憩相手もいる。

 こちらが気づかず、相手が先に発見し、そのまま見切られた場合、見られていたことさえ自分はわからない。当然誰に見られていたのかは不明で、それは一生わからないかもしれない。