川崎フォトエッセイ  その863  家庭の絵       HOME

 見知らぬ家の庭をのぞき込むと、不思議な光景に出くわすことがある。この種の場所は公共性とか普遍性などが取り払われてもよい。家庭というプライベートな空間なので、どんな人にでも分かってもらえるような絵を描かなくてもかまわない。

 しかし、表通りに面した庭などでは、それなりに意識的な表示のさせ方をすることもあるはずだ。

 通りは不特定多数の人達が行き交う。その人達を一種の観客と見立て、何らかのオブジェを展示させることも可能なのだ。

 このやり方は高層マンションとかでは無理だろう。そこは閉鎖空間で外に開かれていないし、また、よけいな物を置くことを禁じられていることもある。

 他人の暮らしぶりや、その家族のキャラクタなどは昔ながらの建物のほうが視認性が良かった。別にのぞき見するわけではなくても、雰囲気が分かったのだ。

 他人との接触が、昔より下手になっていることもある。