川崎フォトエッセイ  その864  装飾の壁       HOME

 裏道ではリアルなものと遭遇することが多い。表の道も確かにリアルな現実なのだが、そこには装飾とか構えがあり、それが一種のトリックとなり、実際のものとは違う表示のさせ方をしていることがあるため、仮想性が高いのだ。

 裏道に入ると、表側のイメージとは異なるものが展開されてることがあるが、こちらのほうが装飾的な誤魔化しがないぶん、よりリアルに感じられる。

 通りの景観は服装と似ており、着ているものによって方向付けられる。裏通りは普段着に近いものがあり、構えたポーズをしていないことで、気楽である。

 服装は簡単に着替えられるが、建物は建て替えたり改装するのは大変だ。そのため一度建った建物は、かなりの時期そのバージョンをさらし続けることとなる。

 しかし、簡単に服装は着替えられるからと言っても、自分と全くかけ離れたものを着るわけにはいかない。物理的に可能でも、精神的に不可能な壁があるようだ。