川崎フォトエッセイ  その885  線路向こう       HOME

 街は道で仕切られることが多いが、線路という道もある。「道向こう」と同じように、「線路向こう」で区切られる。

 線路向こうの人も、同じように線路向こうとして、区切っていると、両者が指しているものは感覚的には同じだが、逆方向で違う場所だ。

 しかし、同じ線路を指しており、線路の位置は固定している。

 道路は近所に多く存在するが、線路はそれほど多くはない。そのため、区切る目安になりやすい。

 その街に、鉄道が走り、駅があることは、街の規模を物語っている。我が町にバス停しかないよりは、交通の便がよい。

 鉄道は都会を走るだけではなく、偶然その街の上を通過しているだけのこともある。

 たとえば新幹線が、その街や村の中を走っていても、駅がなければ、巨大な橋が通っているだけの存在でしかないが、目印にはなりやすい。