川崎フォトエッセイ  その897  薄い       HOME

 新しくできた駅は、その近くにある新しいショッピング街と似たような作られ方をしている。それはファミレスやファーストフード店やコンビニとかも同じだ。この共通点は何だろうか。

 壁や床、天井などを見ていると、この時代の効率を感じてしまう。それらは、この時代をもっともよく生き抜いてきたものと思える。そしてこの時代を象徴するように、その材質は薄っぺらい。下手をすると即席で建てたプレハブの仮設住宅に多少色を付けている程度のものもある。

 少し前の時代にも、ベニヤ板やトタンで囲んだだけの建物も建っていた。だが、化粧版とかで、誤魔化すようなことはしなかったと思う。

 しかし、この時代、自然の材質を楽しもうなどというのは贅沢なことかもしれない。

 駅や街に対する愛着が根付きにくいのは、建物がちゃちなためかもしれない。その薄っぺらさを見抜かれているのだ。