川崎フォトエッセイ  その910  枝振り       HOME

 枝振りの変化が面白い木がある。幹も真っ直ぐには延びないで、くねくねと歪だ。

 杉や竹は真っ直ぐに延びるが、松や柿はそうではない。これは先天的なものだろう。

 人の性格や交際範囲にも、枝振りのようなものがある。そのほとんどは後天的な成り行きで決まるように思える。

 歪んだり曲がったりするのはローカルな事情の反映だ。人が生きていると色々なことに遭遇する。大人になるほど、変化は少なくなるのは、幹も枝振りも、ある程度形が決まっていくため、とんでもない展開にはなりにくいためだ。

 しかし、変化する機会は随所にあり、その気になれば大きく枝振りを変えることも出来る。

 再会するたびに、違った枝振りになっている人もいる。変化の頻度が多すぎると、もうその枝振りに慣れてしまい、変化だとは思えなくなる。