川崎フォトエッセイ  その922  板面       HOME

 地面と板面が似ているのは、どちらも自然界の素材から出来ていることだ。しかし地面は地ならし加工され、板面も木材を切断し加工されているため、自然そのものではない。

 それでもコンクリートで固められたものよりも、自然との関わりを残している。

 砂利道や未舗装の道を自転車で走るのは辛い。スピードが出ないし、ハンドルを取られるし、クッションも悪い。自転車の足の裏はゴムであり、ゴムが好む表面加工があるのだ。

 都会では素足では歩けない。むしろコンクリートで固められた都心のほうが、野山よりも素足で歩きやすいのだが、それが出来ないのは、慣習によるものだろう。

 それに子供の頃から靴を履いているため、砂利道を素足で歩くのは苦行に近くなる。

 町が不自然なように、人も不自然なのだ。