川崎フォトエッセイ  その927  非日常       HOME

 探していたものが、何でもない日常の風景の中にある。それほど遠くへ行かなくても、同じものが、すぐ身近に存在していることがある。

 それに気づいていても、気づかない振りをするのは、非日常なものを求めているためだろう。

 日常と非日常との切り返しは、ペースが狂うことがあるからだ。今は日常的なことだけを綿々とやりたいとき、非日常なものは見たくないこともある。逆に、非日常な世界にいるとき、日常的なものには触れたくない。

 日常と非日常は、その人の事情によるタイミングで、オンになったりオフになったりする。

 人の住む世界は日常の世界で、非日常な世界は一瞬である。その非日常な状態が日常化すると、新たな非日常を求めるものだ。

 非日常は、日常に戻るためにあるようなものかもしれない。