川崎フォトエッセイ  その942  仮想世界       HOME

 現実とバーチャルな世界とを分けて考えることがある。しかし、バーチャルを体験するのは現実の場所である。それは当たり前の話で、最初からバーチャルな人間などいない。現実の人間でないと、バーチャルな場所や、バーチャルな関係には至らないからだ。

 つまり生きて暮らしている人の延長線上にバーチャルな世界がある。

 要するに出入り口があると言うことで、その寸前の扉までは普通の現実世界だ。ただ、多くの人が、それに親しみを覚えるようになり、利用頻度が多くなると、入り口から数歩先程度までは、現実と変わらないほどノーマルな現実として捕らえてもよいだろう。

 バーチャルという言い訳がまかり通ることもある。バーチャルを免罪符にしているのだ。

 たとえば仮想の空間があるとする。しかし、それは誰かが作ったもので、現実のものなのだ。そこに生々しい人々の企みや意図を読みとることが出来る。これは現実そのものだ。