川崎フォトエッセイ  その949  巫女       HOME

 時代が進歩し、ITやハイテク時代になっても、巫女は出没している。科学の進歩で人々は合理的な発想を身につけているはずなのに、初詣の客は減らない。むしろ、技術時代に反発するような感じで、受け入れられている。

 科学的な仕掛けは人間の内奥まで動かす力がないのかもしれない。それは当然と言えば当然で、機械的な処理は、人としてみた場合、浅い箇所での処理で、血肉となるほどのリアリティがないように思えるからだ。

 僕らは町に出ると、機械的なものに処理されっぱなしである。それは効率が良いのだが、利用する側も、機械的な動きをしてしまう。機械の仕掛けに人間が逆に合わせているふしがある。

 魂的なものに突き動かされ、何かをやろうとしても、全面に立ちはだかるのは機械的仕掛けである。その機械的なものに磨り潰されないためにも、別のルートが必要になるようだ。

 巫女的なものが、消えてなくならないのは、機械にかからない情報を個人はいつも秘めているためだ。