川崎フォトエッセイ  その957  ある印象       HOME

 単なる印象がある。それは言葉で伝えようとしても伝わらない情報だ。その箇所に非常に重大な情報価値があるとき、伝え方に苦慮する。

 ある人が受けた印象は、言葉の中にも含まれている。その言葉による印象だ。その場合、言葉だけを切り取った情報以外のものが含まれている。そのため、その言葉だけでやりとりをしていても、何も伝え合えないことになる可能性がある。

 たとえばある人に対し好意的な印象がこれまでなく、逆に不快に思える人になっていた場合、その人の言葉そのものを素直に聞く状態にはなりにくい。

 そこでの言葉は、死んでおり、流通しなくなってしまう。

 印象は言葉では言い表しにくいため、最初の情報を相手に伝えられないまま、スタートしてしまう。

 最初から勘違いを起こしている関係は、後になるほど、その事を言いにくくなるものだ。何らかの状態を任意の印象で把握してしまった場合、それを補正する手段は印象を変えさせることだが、それをするには体力がいる。

 

 

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