川崎フォトエッセイ  その963  マジナイ       HOME

 マジナイはいつの時代になっても廃れることはない。ただ、そのマジナイスタイルと今風なものとのスタイルの違いがあり、ミスマッチなような感じを与えることもある。

 だが、マジナイの形は、その形を変えると、マジナイの効果はなくなるため、違う形に変更することは出来ない。それをやると、マジナイの仕掛けが単なるアートになるからだ。

 あるマジナイにより、この時代の進歩や見栄とかが破壊されることがある。それはこの時代を覆っているセンスなど、一瞬のうちに大昔へと引き戻されるためだ。

 新しい物ほど古い物を排除し、新たなセンスやイメージで塗り固めようとする。その行為に小賢しさがあり、そこを突かれるのである。

 しかし、よく見ると今風な物ほど作りはちゃちで、機能は素晴らしくても、それ以上の含みが見えてこない。

 昔の建物の中には、そのもの自体がマジナイであり、軽々しく立ち入れないような雰囲気を醸し出していたように思える。

 

 

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