川崎フォトエッセイ  その967  有力       HOME

 上位の政権が変わっても、下位の勢力は変わらないことがある。その土地に長く住む有力者の家などがそうだ。

 ところが、その場所が市街地化し、色々な人が入り込むようになると、複数の有力者が並ぶことになる。何に対しての有力者なのかも分散しているはずだ。

 そして単純な形式の上で比べ合えなくなるため、特定の勢力を押さえても、全体までは押さえきれない。

 非常に分かりにくい図式となり「一概には言えない」等の言葉が出るほどだ。

 一人の人間も多様な世界と接しており、一つの勢力がその人を牛耳るようなことも出来ない。多様さの中の一つのジャンルにしか過ぎないからだ。

 しかし、上位の勢力よりも、下位の勢力のほうが安定度が高いように思える。最終的には家族となり、そして一人の個人となる。

 ただ、個人も家族も、単独で暮らしていくことは出来ないため、何らかの世界と接せざるを得ない。その世界は勢力と言うよりは、機能だろう。