川崎フォトエッセイ  その980  技       HOME

 リアルなもののほうが、想像されたものよりも凄い。「現実は小説よりも奇なり」だ。

 誰かに見せるために仕込まれたものは、いくら見事なものであっても、その周辺にある何でもないものに負けることがある。

 作られたものの凄さよりも、偶然の凄さのほうが、インパクトが強いのかもしれない。

 それを作品として見る場合、作者の意図とかに臭みを感じる。その臭みは人間の臭みで、人間という同類の臭みでもある。

 ところが、人の手で仕込まれていないものには作者はいない。実際には自然現象や化学反応が作り手なのだが、そこには同類としての人間がいない。

 ある程度まで人が作り、その後放置し、人の手を離れたものは、作者がいなくなる。

 人の企ては、それを人が見る限りわざとらしさを感じてしまう。技を見せ付けられている感じである。そこに人間が絡むと素直な見方が出来ないこともある。

 

 

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