川崎フォトエッセイ  その1007  触れる       HOME

 近寄りがたい空間がある。それが物理的な形となって目の前にある場合は、触れることが出来る。

 触れるためには、それなりの理由が必要だ。触れるに相応しくない人間なら、それを咎める人が出るだろう。

 ある物事に触れる場合もそうだ。物事は物理的な形を取らないため、手で触ったり、踏んだりは出来ない。しかし、土足で踏み込むような精神的行為がある。この行為のほとんどは態度とかポーズも含まれるが、その多くは言葉だろう。

 物理的なものでも、事柄とかの現象でも、それに対して何らかの行為を加えること、つまり触れることが出来る。当然そこには一般常識としてのガードが施されているのだが、この種のマナーは簡単に乗り越えることが可能だ。

 人が必要以上に礼儀正しい態度を取るのは、相手のマナーの幅が分からないため、広い目にスタンスを取るためかもしれない。

 礼儀を失った行為は、真摯な気持ちから発生したものであっても、相手にはそうとは伝わらない。

 

 

川崎フォトエッセイ  その1007  触れる       HOME