川崎フォトエッセイ  その1008  米穀店       HOME

 米穀通帳を持ち、配給米を買う時代は遠くなった。闇米という言葉も死後になった。その言葉が指している現象が減ったり、なくなったりすると、その言葉をリアルタイムで使うことがなくなるからだ。

 町内にあった米屋さんも酒屋をかねていたりする。純粋な意味での米屋さんも減ったようだ。

 米はガソリンスタンドでも売らる時代だ。確かに米は重いので、給油のときに買うのは理にかなっているかもしれない。

 スーパーやコンビにでも米は売られており、少量なら片手にぶら下げて持ち帰ることも出来る。

 昔の武士の給料が米で支払われていた時代から考えれば、米の意味も違ってきている。日本人の主食ではあっても、食材の一つとなっているのだ。

 食べ物としての米は、単なる食材だが、米の文化は随所に残っている。それだけ米が重要だった時代が長かったため、言葉の蓄積も豊富なのだろう。