川崎フォトエッセイ  その1016  骨董品       HOME

 前景は時代をよく表している。遠方の空などは太古から変わらないような感じだ。山河は多少変化しているかもしれない。

 中景となる建物の変化も激しい。しかし毎日変わるわけではない。昔なら百年ほどは変わらない建物もあったはずだ。

 中景も、そばに寄らなければ変化が分からない物もある。

 今は日々更新されるため、今を押さえ込むことは難しい。明日になれば、同じ物でも意味が違ってしまう場合もある。

 時代のテンポに翻弄され、更新を続けたとしても、次々に古いものを生み出しているような気になる。

 しかし新しいものは、この今に必要で、過去の今にしてしまうため、導入するわけではない。

 この時代や、この今を生き抜くため、どうしても導入しないと、骨董品のような人生しか選択肢がなくなることもある。