川崎フォトエッセイ  その1018  生け垣       HOME

 生け垣の間合いは穏やかだ。偶然植物が密生、または横に並んで生えたため、その中には入れないと、諦めさせる。

 生け垣そのものは作為的な仕掛けなのだが、素材は自然そのものだ。

 板塀や土塀や石垣よりも、生け垣のほうが超えにくい。足場がないためだろう。超えるより隙間から入り込めるかもしれないが、潜り込むのは大変だ。

 生け垣は文字通り生きているため、年々成長する。垣根の役目と同時に観賞用にもなる。

 人間関係でも、入り込んで欲しくない相手がいる場合、何らかのガードが必要になる。垣根ではないが、メタルのシャッターのように、ぴしゃりと閉めれば、完璧だが、相手に対し、あからさまに拒絶を示すことになる。

 生け垣は穏やかな拒絶も意味しているのだが、相手が察してくれない場合は役立たない。