川崎フォトエッセイ  その1068  抽象の遊び       HOME

 無機的なものや、抽象的なものには、はっきりとした意味がない。何らかの方向性や指向性はあるのだが、具体的なものほどには現実性が薄い。

 具体的なものは、はっきりとした現実だが、明快だとは限らない。現実的なものには多面性があるためで、それが現実の深みでもある。

 抽象的なものは、ある一面だけを明快に指すときには便利かもしれない。

 そう言った実用性ではなく、現実的な事柄と絡んでこないような抽象的存在は、気楽さがある。元々何の狙いも意味もないものなら、双方性のレベルでの軋轢もないだろう。

 意味を見出す必要のないものに対し、何かと結びつけるのは、観察者の勝手でしかない。

 意味のあるものばかりと接していると、無意味な遊びが欲しくなることがある。

 具体的なものの、ある側面が、抽象的なものを生み出すこともある。

 

 

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