川崎フォトエッセイ  その1070  何でもない       HOME

 何でもない風景でも、その場所に立てるだけでも充実することがある。少なくとも、自分の足で、外に出て、戻って来られるだけの健康状態があると言うことだ。

 その行為自体、何でもないことだが、それが出来ない状態もある。

 普通のこと、何でもないことが、出来ることに対し、それほど本人は有難いとは思わないだろう。文字度通り大したことではないからだ。

 しかし、その種の行為も、二度と体験出来ないことで、一回きりのことである。この一度きりの繋がりが、その人の進路をやんわりと方向付けている。

 ある場所にいたことで、その後、とんでもない未来が待ち受けている原因になるようなことはほとんどない。

 人の行為は連続しており、ある箇所だけ切り取ることは、不自然なようだ。また、切り取れるのは過去で、今ではない。

 

 

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