川崎フォトエッセイ  その1082  展望       HOME

 大きなものがあると、見晴らしが悪くなる。障害物のように目の前に立ちはだかり、その先の展開を見えなくしている。

 その障害物がなくなると、それまで見えなかったものが見えるかもしれないが、こちらと同じ風景が、同じように広がっているだけかもしれない。

 障害物が、ずっとそこにある場合、それを含めた展望が普通になったりする。もし消えてしまうと、淋しくなることもあるだろう。

 障害物を、それなりに利用することもあり、それが防御の役目を果たしていることもある。

 全ての展開に、見通しが良すぎる場合、逆に怖くなることもある。物事はすらすらと進行するほうが好ましいのだが、逆に歯ごたえがなく、気合いをかける必要も少なくなる。

 見通しの悪い場所から、よく見える場所に立ったときの爽快感は。最初から開けた場所にいては、感じにくいかもしれない。