川崎フォトエッセイ  その1109  伝統       HOME

 日本というものは、もう普通の建物の中にはないのかもしれない。

 観光地などで、やっと固有の文化に触れる思いだ。逆にカルチャーショックさえ受けてしまうほど、馴染みが薄く、遠ざかったものとなっている。

 確かに文化は繋がっているのだが、その人が生まれた時代環境から、その人はスタートする。

 スタート時点が既に純和風など、滅多にはない。

 和風な環境の家に生まれ育っても、それを通すのは難しい。

 一歩外に出れば、和風などほど遠い街に投げ出される。

 伝統的な物は、残っているのだが、その需要が少ないと、日常風景の中では見出せないかもしれない。

 建物や、物がそんな状態なのだから、精神的な面も、同じように揃ってしまいやすい。

 しかし、実用性を失った伝統も、何らかの形で、復活するようだ。