川崎フォトエッセイ  その1136  融通       HOME

 生け垣に手をつくことは出来ない。カーテンのように揺れるからだ。しかし、しっかりとした支えがないため、独自のクッションがある。

 石垣は昇りやすく、また、もたれかかることも出来る。当然のことだが、硬いためだ。

 生け垣の持つソフトさは、融通が効きそうな雰囲気がある。もし車とかにぶつかりそうになったとき、石垣なら、挟まれてしまいそうになるが、生け垣なら、向こう側へ逃げ込めるような気がする。

 支えの甘さが、災いすることもあれば、幸いすることもある。

 どちらが好ましいのかは、何かが起こってみないと分からない。

 固定したものと、生き続けているものとの違いもある。生け垣は生き続けており、日々変化している。それだけに手入れも大変だ。

 だが、柵としだけの機能ではないところに、生け垣のうま味がある。

 

 

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