川崎フォトエッセイ  その1146  有り難さ       HOME

 仏像を有難く思わない人はいないはずなのだが、異なる文化を背負った人々にとっては、逆の反応をすることもある。

 人が創った文化は、それが必要だったからで、その文化圏内では、便利な仕掛けなのだ。

 そしてこの文化が、幾世代にも渡り培われると、デフォルトとして存在してしまう。

 人は文化がなければ生きてはいけない。そして、同じ文化圏を背負いながらも、都合がよいように「文化の使い方」も異なる。

 文化は共同体にとってよりスムーズに事が運ぶような仕掛けである。

 しかし、共同体が崩れ出すと、聖域のようになっていたシステムも、拘らなくなりやすい。

 文化が精神的な繋がりでしか機能しなくなると、現実的なバランスを崩すかもしれない。