川崎フォトエッセイ  その1164  色彩       HOME

 情緒を感じるのは、条件反射のように、必要なものが揃ったときに起こるようだ。

 動物がある種の色に反応するように、人にもそれが起こるのだろう。

 動物と違い、人は衣服などにより、色彩を変えることが出来る。その場合の選択は任意である。

 動物の色彩には実用的な意味があるが、人が身につける色彩は、きっちりとした因果関係はない。

 例えば自分が気に入った色彩を身に纏うことがある。この場合、自分自身とは言いながらも、他者を意識しているはずだ。その他者とは、犬や猫を指さず、人間を指す。

 見られている自分を意識しない限り、任意の色彩を選択しないだろう。

 しかし、自分自身が見て、それなりの情緒を催すような箇所もある。この場合、他者は入り込まないように思えるが、仮想的な他者の視線を自分の中に持っているはずだ。それと照らし合わせながら、他者との関係性を見出すのだ。