川崎フォトエッセイ  その1167  魚       HOME

 干し魚は、それなりに長持ちする。鮮度は落ちるが、独自の味わいがある。

 海辺から遠く離れた内陸部に住んでいる人も、干し魚なら入手しやすかったはずだ。鮮魚は運ぶだけで、人件費が高くつくはずで、高価な食べ物だったのかもしれない。

 鰯を干したメザシは、最も安価な魚だろう。元々鰯は肉が脆いので、干して堅くしたほうが食べやすいのかもしれない。

 内陸部へ、魚を運んだ道が、今でも残っている。流通の基本を見る想いだ。

 冷凍装置もない時代、塩漬けにし、汗をかきながら運ぶ様子は、仕事としては非常に単純なのだが、分かりやすい。

 肉に比べ、魚の種類は非常に多い。消費者にとって、それは値段と味の違いで区別することになる。

 内陸部でも日常的に淡水魚を食べることが出来る。しかし量が少ないためか、高級魚の雰囲気がある。

 ふな寿司などは、手間と時間がかかる保存方法だが、保存することで、味を生む料理でもあるようだ。