川崎フォトエッセイ  その1174  仕掛け       HOME

 子供相手の駄菓子屋が、人通りの多い場所にある場合、それは大人相手の店だろう。当然、テナントとして入っていたり、店が新しかったりする。

 同じ駄菓子を扱っていても、狙いのあるなしで、随分とイメージが違ってしまう。

 昔からある子供相手の駄菓子屋は、それだけでは食べていけないはずだ。また、その種の店は、隠居仕事のような感じで、本職ではないかもしれない。

 単に廃業していないだけの駄菓子屋は、商売気のない隠居仕事だ。

 そのタイプではなく、やる気満々の駄菓子屋がある。懐かしさを売り物にした店で、人通りのある場所に店を出している関係上、趣味で営業するわけにはいかない。

 大人相手の駄菓子屋は、そこに作為を感じる。懐かしさを売り物にした仕掛けだ。

 それは、単に商品が多様化しているだけで、本物の駄菓子屋の趣は、そこにはない。