川崎フォトエッセイ  その1201 森林浴      HOME

 世の中が複雑になればなるほど、単純なものに触れたくなる。

 自然は人が作ったものより遙かに複雑なのだが、読み取りきれないだけの話だ。

 単純さとは、理屈の凹凸の少なさだろうか。

 解釈の仕方で、いろいろな受け止め方が出来てしまうと、複雑に見える。それだけ、考えないといけないからだ。

 見る者との関わりで、ものは単純にも複雑にもなる。半端に知っている事柄はなおさらだ。

 いっそのこと、ほとんど分からないようなものを、見ているときの方が、単調な調べが得られるかもしれない。

 無知であることの幸せさは、穏やかに眺められることだが、無知の怖さも確かにある。

 無知は、小賢しい知識ではなく、素直に対峙できる頭の角度だろう。

 知らぬが仏という怖い言葉もある。小賢しいこの世の人ではない境地だろうか。