人は典型に弱い。典型は、多くの人が好む形だ。また、そうなってしまうところの形だ。

　典型には安定感があり、安心を得ることが出来る。

　良い典型と悪い典型もある。いずれも、陥ってしまうところのよどみのようなもので、そうなってしまうところの形なのだ。

　典型を避け、典型に填らないように形を変えるのも、また典型の一つだ。

　むしろ典型を気にせず、その居心地を楽しむのがよいかもしれない。

　典型は、時期や経験によって、変わってくる。昔は避けていた典型を素直に受け入れることが出来ることもある。

　多くの人と同じような形になってしまっても、質的には微妙な違いがある。

　人が形に拘るのは、形を知ることで、安心するためだろうか。それはよくある一般論として整理しやすいためだろう。