川崎フォトエッセイ  その1204 再興      HOME

 その原型が日本にはないにしても、この国に根付き、この国の風景になってしまったものもある。

 むしろ真似元よりも、発展することがある。既に本家には何も残っていないこともあるだろう。

 自国のものよりも、他国のもののほうが、手垢が少なく、しがらみや因果もない場合、何かを刷新するときには、利用しやすいシステムとなる。

 しかし年月を経ると、見慣れたものとなってしまう。

 時代は、必要となれば、どんなものでも引っ張り出してくる。古くなり、忘れられてしまったものほど、新鮮なのかもしれない。

 拠り所となるものを、古い時代から掘り出すのは、時代の要請でもある。

 古いものを再考し、再興するのは、手垢が剥がれるほど、放置され続けたもののほうが、取り扱いやすいように思える。