川崎フォトエッセイ  その1234 安定      HOME

 既にシンボル性を失っても、建っている建造物がある。

 その象徴性と今も深く関わっている人々もいるだろうが、その性質もかなり塗り替えられているのではないだろうか。

 時代が進むと、欲求や欲望も代わり、また権威も変わる。

 シンボル性の強度が弱まったとき、やっと素直にそのものに接することもある。

 弱まることはマイナス面なのだが、別なものとして生まれ変わることでもあるようだ。

 違う捉え方で、別なジャンルとして切り替えられるのかもしれない。

 古びたものは安定している。それ以上の展開が殆どない場合、存続だけが目的となることもある。

 そういう形でひっそりと佇む姿は悪くはない。