川崎フォトエッセイ  その1268 拠り所      HOME

 何かの面影が残っている場所がある。

 過去の風景は、今の時代、再現出来ないし、また戻すことも不可能だ。

 ただ、面影だけが残る。

 その面影は、個人によりりポイントが違う。世代の違いや、体験の違いで、同じ風景でも、取り扱われ方が異なるのだ。

 確かに共有することが出来る「懐かしさ」などもあるが、その場合は、その固有の場所を差さないで、それに類する抽象的な場所となる。

 日本人として共通する懐かしさは、時代と共に感じにくくなってきているように思える。それは昔からあるような山河や海原などを、都会人はあまり見なくなったためかもしれない。

 人は年を経ると、先祖と同じ気持ちになるわけではない。懐かしさの原点が違うためだ。

 形式や儀式などが、まだ生きれおれば、継承されるかもしれないが、それさえない環境に育った場合、拠り所のなさを感じるかもしれない。

 

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