川崎フォトエッセイ  その1278 居眠り      HOME

 眠る場所ではないが、眠っていても誰も怪しまない場所がある。

 過半数の人が、居眠り状態になっている場所では、むしろ、その姿勢で座っているほうが正しいのではないかと思えてしまう。

 そのため、実際には眠ってはいないのだが、目を閉じてじっとしていることがある。

 当然そのまま眠りに落ちることもあるのだが、眠っているふりをしているほうが、何かと都合のよい面もあるのだ。

 見ない聞こえない、そして気付かないことは、外部との接触を断ち切ることで、余計な気配りなどをしなくてすむ。

 見て見ぬふりをするのではなく、最初から見ていないわけで、関わりを断つことが出来るのだ。

 遮断することで、煩わしさから解放されるのだが、目を開けると、再開しないといけない。

 居眠りから醒めたとき、何かが切り替わったような新鮮な気持ちになる場合と、さらなる気怠さに襲われる場合とがある。

 

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