川崎フォトエッセイ  その1363 レタッチ       HOME

 修正することで、以前の姿を取り戻すこともあるが、別のものに作り替えることも出来る。

 原型が何であったのかも、古仏などでは分からなくなっているものもある。それらは時と共に風化し、ある抽象物となる。

 具体的な何かが分からなくなった場合、そのカテゴリーに吸収される。カテゴリーは具体的なものではなく、入れ物としての箱のようなものであり、括り方に過ぎない。

 しかし、括られたものには一定の意味で括られるので、一定の意味が含まれている。

 形に拘るのは意味に拘ることと近いが、元々の意味は単純な行為だったのかもしれないと思うと、形式が違うからと言って間違いだとは決めつけられない。

 子供の視線や、子供の行為には、昔から神聖なものが含まれていると思われていた。

 大人が意味づけでしか、ものを見ないのに比べ、子供は直観的に判断するため、よりダイレクトに本質を見抜いているように、感じられることがある。