川崎フォトエッセイ  その1395 使われている       HOME

 町内からなくなっていたはずのものが、まだ、残っている場所がある。

 貴重な場所だが、時代は徐々に…ではなく、一気に変わるのが定めなので、ある日突然そこにマンションが建つ。

 逆に言えば、古き良き時代が残っているところほど、新しいもので置き換えられてしまう。

 その段差が大きすぎるため、ある日、訪ねてみると、そこだけ穴が開いたように、別世界になっていたりする。

 そして、新しくなったものも、いずれは懐かしい建物となり、古い時代の建造物となる。

 当然、ある年代の人にとって、新しいものが古びた状態になるまで、目撃出来ないだろう。

 この時代のサイクルの早さは、人々を不安にしているかもしれない。なぜなら、不動産など簡単に動いてしまうからだ。