川崎フォトエッセイ  その1396 古味       HOME

 観光名所よりも、その観光地にある周囲の土産物屋さんの方が、それらしく見えることもある。

 名所である古びた建物も、建て替えられたりすると、古さでは、周辺の建物の方が古式ゆかしく感じることもある。

 それが演出され、作られたものではなく、徐々にそうなっていったところのものであれば、その土産物屋そのものが名所にもなりえるかもしれない。

 あまり商売にならない店とかは、そのまま放置され続けることで、古味が増し、その場所ではなくてはならないものになる可能性を秘めている。

 程よい放置は、味わい深い景観となる。張り切りすぎると、商いが目立ちすぎるし、また、景観も壊す。

 落ち着いた風情とは、別に何かをする必要はなく、そのまま捨て置けば、十分そのようなものとなる。

 演出は、するよりもしない方が、無難だ。