川崎フォトエッセイ  その1423 母子       HOME

 母子で蝉採りをしているのを見ると、僕らが子供のころには考えられなかった絵を見る思いだ。

 家の外は危ない場所で、保護者がいないと、安心して蝉採りも出来ない状態になっているのだろうか。

 子供同士が遊ぶ場所に、親は普通顔を出さなかった。それは親の目がない場所での遊びだったためだろう。

 親の目があると、家の中で遊んでいるのと同じ構図になる。

 子供同士だと、視線は子供同士の関係となり、明らかに家の中での構図とは異なる。そこは子供同士であっても世間の世界なのだ。

 しかし、都心部やその近郊の街では、幼なじみとかの地縁は希薄で、そこで育まれた関係は、クラスメートに近いものとなる。

 クラスメートは卒業すれば、殆どの場合、その関係は希薄になる。

 その意味で、母と遊ぶ子供は、悪いことではなく、いつまでも語り返せる共通の記憶として残りそうだ。

 

川崎フォトエッセイ  その1423 母子       HOME