川崎フォトエッセイ  その1460 不本意       HOME

 組み合わせや取り合わせの妙がある。

 それが偶然のものであればあるほど面白味が増す。

 実際には、それほど面白くはなくても、偶然性が面白いのだ。

 本意ではないものより、不本意なことのほうが、刺激が強い。

 あるものが、そのままである場合は、そのままの注意を引くだけで、風景の中に溶け込んでしまい、いちいち構って見たりしないかもしれない。

 風景は、発見されることによって、違う趣となる。

 カメラを持って来ていないときほど、写真的な被写体に出合う。

 これは、カメラを持っているほうが、写真的な目で風景を見ることが多いはずなのだが、カメラが手元にあるので、安心して風景を見てしまう。

 逆にカメラを持っていないときは、被写体に遭遇しないように、写真的な視線はやめているつもりなのだが、逆に、写したい風景に出合うことが多い。

 カメラがない状態は、写したくても写せないという不本意性が走っている。

 

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