川崎フォトエッセイ  その1473 兎と亀      HOME

 兎と亀の話がある。

 足の速い兎と遅い亀との競争で、結局油断していた兎が負けてしまう。

 しかし、競争に加わった亀の気持ちはどういうものだろうか。

 まともに考えれば、競争する気にはなれないはずだ。勝てないことは最初から分かっている。それを分かった上で、敢えて競争した亀の気持ちが計りがたい。

 しかし、亀は競争する気はない。それは兎も同じだ。亀や兎の意志ではなく、その話を作った人の意志でしかない。

 そんなことは分かり切っているのだが、有名な話になればなるほど、キャラクタに意志があるように感じてしまう。

 兎と亀の話は、死ぬまでに何度か聞かされる話だ。色々な語り口があるため、元の話が、現実の出来事のように聞こえてしまうのだろうか。

 繰り返すが、兎も亀も競争する意志はない。

 

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