川崎フォトエッセイ  その1475 もののあわれ      HOME

「もののあわれ」は、日本ものの定番中の定番だ。

 それだけに、その逆を行きたがることがある。なぜなら「もののあわれ」はあまりにも日本的な境地だからだ。

 日本的なものから、逃れようとする気持ちがある。それを忌み嫌う風潮もある。

 しかし、その気持ちさえも「もののあわれ」の範囲内なのだ。

「もののあわれ」を知ることは、消極的になることではない。

 元気さを売り物にするのはよいが、そうでない場合、元気のなさが問題となり、忌み嫌われることになりかねない。

 また、元気さは、何らかの欲望が、その裏にある。

 体が元気なのとは意味が違う。

 気持ちが元気なのは、体が悪いときとかにこそ、必要だ。

 しかし、体が優れないときの元気さとは、平常心でいられる程度の元気さだろう。