川崎フォトエッセイ  その1527 欲望の灯り      HOME

 街の灯は、暗いので照明をするとかではなく、灯りで人を呼び込むような感じのほうがしっくりする

 それはネオンや看板を指すのだが、そこには人々の営みの匂いがするからだ。

 防犯や安全のための照明には情緒がない。目的が目的なので、好ましい情緒とは別のジャンルになるためだろう。

 灯りに欲望が加わることで、灯りが暖かくなる。温度が高いのだ。

 その灯りは、人の持つ温度にも近い。

 街の灯りは人々の灯りで、営みの灯りだ。人がそこにいることが灯りの暖かさだ。

 そして、その灯りはまちまちなほど、人々の自由な営みを感じる。

 温度は、人々が発している欲望で、それは分かりやすいものだ。

 無機的な灯りは、背景に人がいない。

 欲望から発している灯りは人を引き付けるものがある。

 

川崎フォトエッセイ  その1527 欲望の灯り      HOME