川崎フォトエッセイ  その14  時代劇    ←前 次→  ホーム


 時代劇に出てきそうな風景も、きっちり現代を生きている。

 カメラのように、基本的な進化は止まってしまった機械は、古さは感じないが、新規格のフィルムが使えないとなると「古いのかなあ」と考えてしまう。

 古さは、新しいものが出てくることによって顕在化するのだろうか。そうすると、ところてん式に、毎日のように古いものが押し出されている感じになる。

 最近僕は時代劇を見なくなった。今とかけ離れた世界のお話なので、親近感がわかないからだ。戦中戦後の話も、もうピンとこなくなった。確かに人間さえ描いておれば、いつの時代でも通用するのだが、やはり状況の違いは大きい。

 幕末時代と今とは違う。竜馬が生きた時代背景でしか可能ではない動き方がある。それを今の時代でやろうとしても無理だ。 変わらないものは、下等な情念だけだろうか。