川崎フォトエッセイ  その48  レトロ    ←前 次→  ホーム


 レトロというイメージは、江戸時代までさかのぼれないようだ。やはり明治以降の古い建物とかアイテムを指すようだ。

 つまり、西洋的な古い物はレトロに相当するが、日本の古物は単に骨董品になるようだ。

 レトロというのは、古い物を指す古い言葉ではなく、新しい言葉だ。古い物は昔から存在しているのだが、今の視点からの指し方で、生き返ってくる物も多い。

 レトロの使い方も人によって違うようで、一寸前の金属製カメラをレトロカメラと呼ばれると、ちょっとショックである。まだそれを使っている人が多いからだ。それが間違いであることは、その種のカメラは中古価格も安い。単にちょっと古いだけのカメラなのだ。でも、レトロカメラと呼んだほうが、価値があるように聞こえる。

 レトロを金銭で換算してはいけない。個人的に懐かしむべき世界なのだが、この言葉によって、懐かしさを共有してしまったようで、少し恥ずかしい。