川崎フォトエッセイ  その63  レコード    ←前 次→  HOME


 蓄音機、またはレコードプレイヤーを所有したことのない僕にとって、レコード屋は無縁の存在だった。そのためCDとの音質の差などはわからない。つまり違いがわからない人間のまま今日に至っている。

 僕が知らないだけで、世の中には色々なジャンルの、様々な世界が存在している。これは想像できるし、具体的な形で目の前に現れる。その一つが店屋さんとの遭遇である。

 そういう店があるのだから、そういう客が来ることは確かだ。または、過去に来ていたことがある。

 ある日、パソコンのゲームソフト売り場へ友人と行った。僕にとっては見慣れたタイトルが並んでおり、一目でゲームジャンルがわかるのだが、友人は未知の領域に連れてこられたような顔つきで、居心地が悪かったようだ。

 そのジャンルは知っているが、その内容までは知らない世界。未知の領域は、残して置いたほうが楽しめるかも。