散策とは、ぶらぶら歩きである。目的もなく歩く、と言うことは実際は不可能で、何らかの意味が底に沈んでいる。
興味のないものでも、案内板とかに誘導されて、ついつい寄ってしまうことがある。しかしこれで目的ができたことになる。周囲の人も「あそこへ行くのだな」と、納得してみてくれる。
ところが、本人はさして興味のないものを目的にしてしまっているわけであるから、主旨とは違う場へ入り込むことになる。
「他に目的がないので、とりあえず」と、いうことで、即席で目的を作ってしまうことは、日常的に、よくある。それが大して重大な件でなければいいのだが。
曖昧な目的でうろうろする状態を散策と呼ぶ。目的を探すのが目的の場合もあれば、目的を持たずに紛れ込む場合もある。後者の場合、散策者であるだけに責任は軽い。