川崎フォトエッセイ  その92  三味線    ←前 次→  HOME


 三味線の弦の数は三本である。まあ、僕が三味線を弾くことがあったとしても、三本も使わないだろう。一本でも難儀するに違いない。

 選択肢が一つしかない場合、当然ながら選択する必要はない。それが二つになると、二者択一となり、どちらかを選べばいい。イエスかノーかであり、オンかオフかである。

 ところが選択肢が三つになると、選択にゆとりが生まれる。

 二者択一は機械的な選択だが、三つになると「どちらとも言えない」とか「よくわからない」とかの、ニュートラルを選択できる。それだけに三つになると「選択」という意味が薄くなってしまう。

 どちらも選びたい、どちらも選びたくない。などという葛藤に苦しむ機会が日常的によく起こる。

 つまり三角関係はドラマになりやすいのだ。そこに情が加わるためだろう。