川崎フォトエッセイ  その120  変貌    ←前 次→  HOME


 僕は生まれたときから連続して同じ僕なのだが、子供時代と大人になってからでは、同じ僕だとはいえない。確かに名前は変わっていないし、別の人間になったわけではないので、同一人物であることにかわりはないが、やはり違うのだ。

 僕は連続して僕と付き合っているが、子供時代だけを知っている知り合いが、今の僕を見たら、別人のように思うはずだ。確かに昔の面影が残っているだろが。

 それは街の風景でもいえる。昔から住んでいる町内だと、昔の風景とダブらせてみるため、マンションや駐車場ばかりの町内になっても、土地に対しての親しみは変わらないのだ。道路や神社などは昔のレイアウトのままなので、手がかりはいくらでもある。そして、毎日その変貌を見ているので、一気に違う風景になるわけではないからだ。

 つまり、変化を確認しながら見ていけば、変貌ぶりも納得できるという単純なことである。ということは気持ちの問題だけかもしれない。