川崎フォトエッセイ  その124  地蔵    ←前 次→  HOME


 農村だった土地が新興住宅地になり、お地蔵さんを取り囲む環境も変わってしまった。

 村道が私道、市道、県道となり、その脇に立っていたお地蔵さんも、下手をすると交通事故に遭いかねない。

 今風な「交通安全地蔵」なるものもあり、お地蔵さんもまだまだ活躍しているようだ。

 農家の私有地に立っていたお地蔵さんは、今でも信仰の対象になっている。土地のお年寄りが、朝の散歩がてらお地蔵さん参りをするのだ。僕の近所にも数か所、その種の祠があり、巡礼コースができている。そして地蔵盆も執り行われている。

 コンビニや自販機の街になっても、それらは昔でいえば雑貨屋のようなものなのだから、それとお地蔵さんとはミスマッチではない。ものが変わっても、人間の生活は、昔とパターン的には変わっていないのだ。