川崎フォトエッセイ  その125  演出    ←前 次→  HOME


 同じシーンでも、演出の仕方によって感じが違ってくる。感じが違えば意味や方向性も変わる。このあたりは誰でも知っていることである。
 ドラマはモロに演出されたものだが、僕らの日常での視線も、自分なりに演出して見ているようなところもある。
 何らかのイメージが頭の中にあって、その視線で捉えようとする。そのイメージは、実体験ではなく、テレビドラマの映像だったり、写真だったりする場合もある。
 大事なのは、具体的な任意のイメージそのものではなく、そこに含まれている要素もしれない。偶然その要素が誰かが演出したもののなかに含まれていたりする。
 映像も言葉も、何かを指している。指されているものが、言い表し難いため、その先は曖昧で、追求すればするほど最初の印象から遠のいていく。