逆光で写真を写すと、肉眼では見えていたものが、黒く潰れて、見えなくなってしまう。露出補正をすれば、明るくなるが、原爆が落ちたときのような写真になる。人間の眼のほうが露出の関しては、優れている。見たいものに対し、自動的に調節されるからだ。
カメラだと、それをオートでもマニュアルでも、機械的に合わすため、スペック以上の調節はできない。
機械的に切り取られた映像は、僕が見た映像とは異なる。順光よりも逆光時のほうがその差が激しい。
しかし逆光とか、露出が難しいときのほうが、写真らしい味が出る。撮影者の印象とは異なる世界がそこにある。撮影者の細やかな意図が通じないところに、写真の面白さがある。
日常の中でも、逆光的な(たとえば逆風とか)シーンで、思わぬ動きに出たり、思わぬ結果が出たりと、人知を越えたうま味が味わえる。